日本時間で本日3月11日(月)に授賞式が行われた第96回アカデミー賞®にて、ジョナサン・グレイザー監督最新作『関心領域』が国際長編映画賞&音響賞の2部門を受賞した。
本作はイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(13)のジョナサン・グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。製作は、昨年度のアカデミー賞®で作品賞ほか最多7部門を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』など多くの話題作を手がけ、近年の賞レースを席巻している映画スタジオ・A24。初お披露目となった第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞して以来、トロント映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞など各地の映画賞を続々受賞し、第81回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)ほか3部門にノミネート、第77回英国アカデミー賞では英国作品賞、外国語映画賞、音響賞を受賞している。
アカデミー賞 国際長編映画賞受賞 ジョナサン・グレイザー監督スピーチ(一部抜粋)
製作チームの皆さんに感謝します。我々はこの映画で過去ではなく、現在起きている衝突を反映し、今について伝えるものにすると決めていました。過去に何をしたのかということではなく、むしろ今何が起きているのかということ。私たちの映画は、非人道的な行動が最悪の事態に至ることを示しています。イスラエルであれ、ガザであれ、今も非人道的な行いでたくさんの犠牲者が生まれています。私たちはこれにどう抵抗すれば良いのでしょうか。
原題でもある《The Zone of Interest(関心領域)》とは、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、アウシュビッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。
5月24日(金)新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開